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恋ばか

第9章 ~婚約~

「…わかんない。」

「え…?」

俺の言葉が予想外だったのか、春架は顔を上げた。

「亮の事が好きな理由はわからないんだ。 気がついたら、好きになってた。 どこが好きかって聞かれても、多分…答えられないと思う…俺は、亮の全部が好きだと思うから…」

「全部が…」

俺の言葉を聞くと、春架はまたうつむいて考え込んでしまった。
春架に少しでも伝わるように、言葉を掛け続ける。

「うん、全部。 いつから好きになったとか、なんで好きなのかとか、わかんないもんだよ? 気がついたら好きになってて、一緒にいるうちに好きになった。 それだけ。」

「そっか…」

春架は少し黙り込むと、突然笑い出した。

「ハハハッ!!」

「は、春架…?」

驚いて春架を見ると、春架はお腹を抱えて大笑いしていた。

「もうっ…兄ちゃ…っ…さすがっ…」

「はい?」

春架はしばらくひとりで笑うと、だんだんと落ち着きを取り戻した。

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