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恋ばか

第9章 ~婚約~

「やばっ…笑い過ぎて涙が…」

「…えーっと…」

涙をぬぐうと、春架は姿勢を正して、俺にきちんと向き直った。

「ごめん。 久しぶりにこんなに笑ったから止まんなくて…」

「全然いいよ。 落ち着いた?」

春架は少し微笑むと「うん。」と頷いた。

「それじゃあ、本題に入ろうか。」

「本題?」

(あっ、そうか…婚約の事聞くために春架を呼んだんだった。)

春架と久しぶりに会って、話の事をすっかり忘れていた。

「その前に、ひとつ聞いていい?」

「ん? なに?」

俺の言葉に春架は愛らしく首を傾げた。

「なんで、こんなに来るの早かったの? 本家からここまで30分はかかるでしょ?」

「あぁ…それは…」

春架の話によると、俺に電話しても出ないため、話をしに俺が住んでるマンションに行っていたとか。
で、家が留守で困っていた所にちょうど俺が電話に出たので、10分で来れたそうだ。

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