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恋ばか

第9章 ~婚約~

(確かに…うちからここまでなら10分くらいしかかからないな。)

春架の話を聞き終えると、本題に入るよう頷いた。

「それで、本題なんだけど…驚いて腰抜かさないでよ?」

「……わかった。」

俺はゆっくりと息を吸い込んで気分を落ち着かせた。

「…兄ちゃんの婚約者…綾音さんなんだ…」

「なっ!?」

驚いて目を見開く。

「お祖父様が…この前俺に嬉しそうに言ってきた。
『近藤財閥と、会社が合併すれば、桜木財閥は日本一の大企業になるぞ。』
って…どういう事かわからなくて聞いてみたら、『留架と綾音さんが婚約するんだ。』って…」

「あっ、綾音…?」

混乱して、話が飲み込めない。

「うん。 近藤綾音。 兄ちゃんの親友だった人。」

「な…んで…? どうして…綾音なんだ?」

俺の問いに春架はわずかに顔を歪ませた。

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