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恋ばか

第9章 ~婚約~

「…兄ちゃんを…本家に戻すためだよ。」

「…俺を…?」

春架は「うん。」と、頷いた。

「本当は、この話を兄ちゃんに知らせるのは二日後なんだ。 急に知らせたら、怒って本家に怒鳴りこみにくるだろうって。 そしたら、捕まえて監禁する気だったんだって…」

二日後…俺は春架が知らせてくれていなかったら、本家に連れ戻されるところだったのか…

「でもね…悪い知らせだけじゃないんだよ?」

「…?」

春架は嬉しそうに微笑んだ。

「俺がお祖父様に『そんなのあんまりだ。』って言ったら、『留架に恋人でもいたら諦める。』って言ってきたんだ。」

「恋人…?」

まさか、お祖父様がそんな条件を出してくるなんて信じられなくて、しばらく言葉を失う。

「それで、兄ちゃんに恋人なんかいないだろうって思って、二日の間に恋人作らなきゃって焦ってたんだけど…そんな心配いらないみたいだね。」

春架はそう言って亮をチラッとみた。

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