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「なんで、綾音なんですか…？ お父様は…この事をなんて言ってるんです？」

お祖父様は半分呆れたように話した。

「………そんなの理由は簡単だ。 近藤財閥とは古い付き合いだし、お前も綾音とは仲が良かっただろう？」

「っ…俺が…綾音を嫌っている事くらい…わかっているでしょう…？」

綾音を目の前にしてこんなこと言うのはどうかと思うが、止まらない。

「ああ、わかっている。 だが、それとこれとは話が別だろう？ 私だって、別に好きでお前の祖母と結婚した訳ではない。」

「っ…しかし…」

反論しようとしたが、お祖父様からの威圧感が凄まじく黙り込む。

「…大体の話はわかりました。 ところで桜木様。 留架君に恋人がいたら婚約を諦めるというのは本当ですか？」

「ああ。 春架と約束したからな。」

お祖父様の返事を聞くと、亮は「クスッ」と笑った。