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恋ばか

第10章 ~婚約者~

「お祖父様。 私はまだ残ります。 ちょっと、留架と境とお話しがしたいので…」

綾音の言葉にお祖父様は頷くと、客間から出て行った。

お祖父様が客間から出て行った瞬間、俺は一気に体の力が抜け、その場に脱力した。

「はぁ~…」

「うまくいっただろ?」

大きくため息をつくと、亮が隣から得意そうに話しかけてきた。

「うん。 でも…まだ終わってないよ。」

視線だけ綾音の方を向けると、亮は頷いた。

俺は後ろを振り返って境に話しかけた。

「境…」

「…わかってる。」

俺が呼ぶまでもなく、境は俺の隣に来ると、腰を掛けた。

境が隣に座ったのを確認してから、口を開いた。

「…で、話ってなに?」

俺の口調の変化に気づいたのだろう。

亮が少し体を固くしたのがわかった。

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