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恋ばか

第11章 ~父~

「探したよ…お義父様もお前の居場所を教えてくれなくて…心配したんだぞ?」

「…っ…」

久しぶりの父さんの口調に、父さんは俺と母さんを重ねて見てないと思い、安心した。

…が、次の父さんの言葉に俺はもちろん、その場にいた全員が凍りついた。

「無事でよかった。 愛してるよ…杏…」

「っ!!」

父さんはそう言って俺の髪に優しくキスをした。

父さんの唇が額に、頬に、そして唇に来そうになった時、俺は父さんを突き飛ばした。

「いやっ!!」

勢い余って父さんは壁に体をぶつける。

「…っ…」

その音を聞いて、全員、呪縛から解放された。

「成海さん!!」

「留架!!」

綾音は父さんのそばへ、亮は俺のそばに来て俺を引き寄せた。

「留架!! 大丈夫? 早くこっちに…」

「っ…亮…!!」

急いで亮の腕の中に飛び込む。

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