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恋ばか

第11章 ~父~

「亮っ!!」

慌てて亮のそばに駆け寄ろうとすると、父さんが腕を掴んできた。

「嫌だっ!!!! 離して!!! 亮がっ…」

「杏!! 落ち着け!!」

父さんは俺を落ち着かせようと、俺を再び抱きしめてきた。

その行為に、俺はさらに暴れる。

「嫌だっ!! 助けて!!!!」


―助けて!!


俺は気がつけば、あいつの名前を呼んでいた。

「…助けて!! っ…三神!!」

あの時は、あいつの名前を呼んだらあいつはすぐに俺を助けに来てくれた。

でも、今は…
あいつはここにはいない―…

「留架様!?」

…―はずだった。

声がした方を全員が振り向くと、そこにいたのは―…

「み…かみ…っ…!!」

三神は俺と父さんを一目見ると、俺を父さんの腕の中から引っ張り出した。

「留架様!! 大丈夫ですか!?」

「っ…みか…みっ…」

半泣きの状態で三神にすがりつく。

「どうしてなんだ、杏!? なぜ、三神なんかに…」

父さんは三神にすがる俺を見て、俺に詰め寄ってきた。

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