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恋ばか

第11章 ~父~

「いやっ…だ…来ないで…」

俺は必死に三神にすがる。
三神は俺を後ろにかくまうと、父さんを睨みつけた。

「旦那様。 お止め下さい。」

「なぜ、お前まで止める? 杏は私の妻だ!! これは我々の問題だ!!! お前が首を突っ込む事ではない!!!!」

三神は俺を亮が倒れている方向に突き飛ばした。

「うわっ!!」

「っ!?」

亮は慌てて俺を抱き止めた。

亮の腕の中に収まってから、三神を振り返る。

―と、同時に部屋に「ぱしんっ」という乾いた音が響いた。

「「っ!? 三神!?」」

春架と俺が驚いて声を上げる。

当たり前だ。
なんたって、三神が父さんをひっぱたいたんだから。

みんな驚いて言葉を失う。

一番最初に口を開いたのは、父さんだった。

「な、なにを…」

「いい加減、目を覚まして下さい。」

驚いている父さんに、三神は冷たく言い放った。

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