
恋ばか
第12章 ~崩壊~
「境、おはよー。」
「おはよー。」
あっ、そうだ。
言っていなかったが、俺は中3になった。
3ヶ月の間に進級したのである。
ちなみにクラスは1組。
境と亮と一緒の選抜クラスである。
今まで何も言っていなかったが、実は境も成績はかなりいい。
というか、毎回、学年のトップ3には俺と亮と境が並んでいる。
(まあ、1位はだいたい亮なんだけど…)
そんな選抜クラスの担任は…
「はい。 皆さん、席に着いて下さい。」
カズ…
黒澤一臣なのだ。
そうと分かった時の俺達の驚きようといったら…
(本気で気絶するかと思った…)
こんな偶然があるわけないので亮の方を振り向くと、亮は「知らない。」と、言ったように、首を横に振った。
亮が仕組んだ事ではないとなると、思いつくのは…
(お祖父様か…)
桜木財閥の会長である桜木吾郎…お祖父様しか思いつかなかった。
