
恋ばか
第12章 ~崩壊~
「やっと終わった~」
「…疲れた…」
「そうか?」
授業も終わり、SHRも終了して、やっと帰れる時間になる。
「授業進むの早くね?」
「普通だろ。」
亮の言葉に境はムッとしたように言い返した。
「どっかの秀才君とは違って、夜勉強しないと頭に入らないから、大変なんだよーだ。」
「俺だって勉強してるよ、バカ。」
「バカとはなんだよ!?」
そんな会話を聞いてると、自然と顔がほころんだ。
「境、教員室寄って行かなくていいの? カズ、怒るよ?」
「ちゃんと寄って行くよ。 心配すんなって。」
境はそう言うと、教員室に向かって走り出した。
「じゃ、またゴールデンウイーク明けにな。」
「うん。」
境に手を振ると、亮と歩き出す。
「本家まで送るよ。」
「いいの?」
亮は笑顔で頷くと、車に乗り込んだ。
俺も続いて乗り込む。
「…………」
会話もないまま、本家に着いてしまった。
