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恋ばか

第12章 ~崩壊~

目の前の光景が信じられなくて、何もできず固まったまま数秒経過した。
俺は、とりあえず落ち着こうと深呼吸をする。

(………)

部屋に入って少し経ったが、二人が起きる気配はない。

今下手に起こしても何もならないと思い、静かに部屋を出て行こうとする。

―と、その時、何とも言えないこのタイミングで三神が部屋に入って来た。

「失礼します。 坊ちゃま、お目覚めですか?」

「!!」

まあ、当然の事ながら、三神は俺を見て不思議そうな顔をした。
それだけならまだよかったのに、最悪だったのは…

「ん…何…?」

亮が起きてしまった事だ。

亮の声を聞いて、三神が俺から視線を逸らし、そちらに目をやる。
そして、ベッドに春架が寝ているのを見て一瞬驚いたように目を見張ったが、すぐにいつもの顔にもどった。

「おはようございます。」

「あぁ…おはよう。」

亮は寝ぼけているのか、まだ俺に気づかない。

俺が黙ったまま立ち尽くしていると、三神に肘でつつかれた。

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