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恋ばか

第12章 ~崩壊~

「朝食はお運びいたしますか?」

「あっ…いや…」

声を掛けられて亮は多少驚いたようで、すぐには質問に答えなかった。

…しばらく沈黙が続く。

一番最初に口を開いたのは、意外にも三神だった。

「まだ準備もできていないようなので、お持ちしますね。」

「あぁ…うん。」

亮の返事を聞いて部屋を出て行こうとすると、三神に止められた。

(三神さん…?)

(私が行きます。)

そう言って、止められてしまった。

何も言えず、指示に従う。

三神が部屋を出て行くと、しばらく沈黙が続いた。

「…留架…」

「あっ…はい。 なんですか?」

名前を呼ばれそちらを向くと、亮はこちらを真っ直ぐ見つめていた。

「今は執事じゃなくて、恋人として接してくれないか?」

「…………わかった。」

俺は今すぐ部屋を飛び出しそうになるのを必死に抑えながら亮の言葉を待った。

「その…なんでここにいるんだ? 帰ってくるのは明日じゃな…」

「1日早く帰ってきた。」

亮の言葉を遮って、質問に答える。

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