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恋ばか

第12章 ~崩壊~

「なんで? せっかく久しぶりに桜木様に会ったんじゃ…」

「そうだよ。 でも…」

亮から目を逸らし、唇を強く噛んだ。

「亮に早く会いたくて…会いたくてしょうがなかったから、無理言って早く帰らせてもらった…なのに…」

春架の方を見て、小さく笑う。

「なのに、亮は別に俺が居なくても平気なんだな。 俺だけ…俺だけ亮に会いたくて…」

亮に目をやると、不思議そうにこちらを見ていた。

俺が…泣きながら笑っていたからだろう。

「留架…違…」

亮がゆっくりと口を開いた時、今までずっと寝ていた春架が目を覚ました。

「う…ん…」

亮は再び口を閉じ、春架の方に目をやる。

春架は身体を起こすも、俺の存在に気づいていない。

「痛っ!! 亮さん…腰が痛いです…」

「あっ…大丈夫?」

照れくさそうに笑う春架に亮は、優しく手を差し伸べる。

春架は嬉しそうに笑うと、ゆっくりと亮の首に腕を回して…

「ん…」

キスをした。

「……っ…」

俺は何も言えず…何も出来ないまま、ただその光景を見つめていた。

それはいつか見たような光景で…

亮と初めて行為交わした次の日の朝…
腰を痛めた俺に、亮は優しく手を差し伸べてきた。

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