テキストサイズ

恋ばか

第12章 ~崩壊~

(今隣にいるのは、俺じゃないけど…)

自分で考えて、悲しくなってくる。

また、涙が溢れてきそうになった。

「……っ……」

耐えきれずに部屋を出て行こうとした時、またしても絶妙なタイミングで三神が部屋に入ってきた。

「失礼します。 朝食をお持ちしました。」

三神が入ってきたのと同時に春架は慌てて亮から離れた。

三神はテーブルの上に朝食を置くと俺の隣にやってきた。

(…話は出来ましたか?)

(…はい。 それで…質問があるのですが…)

チラッと三神の方を向くと目が合う。

(なんですか?)

(あの…春架も執事の仕事はしたんですよね?)

三神は、真っ赤になって笑っている春架に一瞬目をやると頷いた。

(素質はありますか?)

(ええ。 あなたほどではないですが。)

何気に自分を褒めてくれた事が嬉しくて少し微笑む。

(…そうですか…)

(…留架様?)

俺が考えている事がわかったのだろう。

三神が俺を心配そうに見つめてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ