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恋ばか

第15章 ~目覚め~

「ねえ…今日って何日?」

俺の問いに、境はすぐに答えた。

「27日。 留架が事故に遭ってちょうど2週間だよ。」

「2週間!?」

驚いて声を上げる。

「うん。 2週間ずっと、生死の境をさまよってたんだよ?」

生死の境…

カズが発したその単語に、夢の事を思い出した。

真っ暗な闇の世界でさまよっていると、そこに一筋の光が差し込んできて…
俺はなぜか、その光の先にあるものが欲しくて欲しくてたまらなくなる。
その光に手を伸ばそうとした時、誰かに腕を掴まれる。
振り向くとそこには―…

そこで、目が覚めた。

誰だったんだろう…俺を引き止めた人物は…

「…架…留架!!」

境に肩を揺さぶられて、ハッとする。

「えっ…あ…何?」

「何? じゃないよ。 大丈夫?」

心配そうに顔を覗き込んでくる境に、なんだか申し訳なくなって素直に謝った。

「ごめん…大丈夫だよ。」

「…ならいいけど…」

境は少しふくれっ面になると、椅子に座り直した。

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