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恋ばか

第15章 ~目覚め~

「…あれ? カズは?」

カズがいないのに気づき、境に尋ねてみる。

「…本当に大丈夫? さっき、先生呼んでくるって言って出て行ったじゃん。」

「そうだっけ?」

夢の事を考えていて、全く聞いていなかった。

少しぎこちなく笑うと、境は顔を歪めた。

「何か考え込んでたの?」

…さすが親友。 鋭いな。

「…うん。 ちょっとね。」

正直に認めると、境はゆっくりと口を開いた。

「…それってもしかして…あいつの事?」

「…あいつ…?」

誰の事を示しているのかわからず、少し考える。
―と、誰かが部屋に入ってきた。

「失礼します。」

部屋に入ってきたのは俺の主治医?と思われる人物とカズ。

そして―…

「三神っ!!」

「留架様…」

大好きな執事だった。

三神は俺に近づくと、優しく抱きしめてきた。

「…ご無事でよかった…」

「三神…」

しばらく、そのままの体勢で抱き合った。

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