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恋ばか

第16章 ~記憶~

小原さんを一瞬見てから、境に視線を移す。

「ねえ…境…」

「ん? なに?」

俺の声に全員が反応した。

「俺と小原さんって、今は付き合ってないんだよね?」

「……………」

その言葉に、全員が凍りつく。

「…今は、春架と付き合ってるんでしょ?」

「っ!! な…んで…」

境が驚いたように俺を見る。

「春架を見てればすぐに分かったよ。」

「…っ…」

視線を春架に移す。

「ねえ…春架…」

「…な、なに?」

声を掛けると、春架は少したじろぎながら返事を返してきた。

「…春架は今…幸せ?」

「…ぇ……? ぅ、うん…」

春架の返事を聞いて、にっこり笑う。

「…よかった。」

「…………んで…」

微笑んだ俺を見て、春架は不思議そうに顔を歪めた。

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