テキストサイズ

恋ばか

第16章 ~記憶~

そんな春架を見て、小原さんは優しく春架の頭を撫でた。

しばらくして春架も落ち着いてきた時、看護師さんが部屋に入ってきた。

「面会終了時間です。」

その言葉を聞いて、みんな帰り支度を始める。

最初に小原さんと春架が出て行きそうだったので、部屋を出るときに声を掛けた。

「あの…わざわざ来てくださってありがとうございました。」

「全然気にしないで。」

そう言って優しく微笑んだ小原さんに、もう一言声を掛ける。

「それと…春架の事…よろしくお願いします。 幸せにしてやって下さい。」

「っ!!」

小原さんは驚いたように目を見開くと、少しぎこちなく微笑んで帰って行った。

「じゃあ、また明日。 学校終わってから来るから。」

「うん。」

境達も身支度を済ませて帰って行った。

(…眠くなってきた…)

ベッドに横になり、目を閉じる。

(小原亮…か…なんか…ちょっと…気にな…る…か……も……)

そこで、俺は完全に意識を手放した。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ