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恋ばか

第16章 ~記憶~

次の日…

看護師さんの声で目が覚めた。

注射を打ち、しばらくすると朝食が運ばれてくる。

「今日はたくさんお見舞いの品が届いてますよ。」

朝食を食べ終え、看護師が片付けると同時に、今度はたくさんのお見舞いの品が机に置かれる。

(うわ…すご…)

あまりの量に唖然としていると、看護師さんが花束を差し出してきた。

「これも届いてましたよ。 送り主は…小原亮さんですね。」

「え?」

花束を受け取り、固まる。

(小原さんが…?)

花束にはカードが添えてあった。

『早くよくなることを祈ってます。』

しばらく、無言でカードを見つめる。

なんで…元彼の俺なんかにカードを…?

「うーん…」

「どうかしましたか?」

唸った俺を見て、看護師さんが心配そうに尋ねてきた。

「あっ、いえ…この花、活けてもらえますか?」

「いいですよ。」

看護師さんは優しく微笑んで花束を受け取ると、部屋を出て行った。

小原亮…

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