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恋ばか

第16章 ~記憶~

(…なんかよくわかんないや。)

でも、春架が幸せならなんでもいい気がする。

「うーん…」

俺が再び唸った時、誰かが部屋に入ってきた。

「…綾音…?」

そちらに目をやると、立っていたのは綾音だった。
そして、その後ろにもう一人。

「父さ…ん…?」

父さんだった。

なんで…ここに…

二人はゆっくりと部屋に入ってくると、俺の真横に立った。

父さんが今、俺の横にいる…

そう思うと、体が震えてくる。

そんな俺を見て、父さんは口を開いた。

「大丈夫か? 留架。」

「…え?」

その言葉に反応し、顔を上げると顔を歪めた父さんと目が合った。

「なんで…?」

「…本当にすまなかった。 あの時、三神に殴られてようやく正気に戻ったよ。」

三神に殴られた?

一体どうして…

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