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恋ばか

第17章 ~新しい恋人~

(なんでそんなに驚いてるんだ? 俺にバレないとでも思った?)

唇を強く噛み、拳を握りしめる。

「なんでもなにも、俺と留架はずっと前から付き合ってるけど?」

「はぁ!?」

境が驚いて声を上げる。
空は俺を振り返り、「な?」と聞いてきた。

「…う…ん。」

空の影に隠れながら頷く。
これには境もカズも、小原さんまでもが驚いたようで、誰もが静止している中、三人とも動き出した。

小原さんはゆっくりと立ち上がり、カズは教室を出て行き、境はこちらに少し近づいてきた。

「どうしたんだよ留架? なんで空と…」

「なんでって言われても…」

顔を隠すように少し俯く。

「………好き…だか…ら…///」

「…………」

誰も何も言わず、動こうともしなかった。
ただ、空は黙って俺の頭を撫でていてくれた。

その時、教室のドアが開き、先ほど出て行ったカズが教室に入ってきた。

「五十嵐君、小原君、小泉君、桜木君、ちょっときて下さい。」

そう言われ、廊下に出る。

「他の人は課題をやっていて下さい。」

カズは一言そう告げると、俺達を他の教室に誘導していく。
到着したのは、あまり使われない空き教室。

中に入ると、先客がいた。

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