恋ばか
第17章 ~新しい恋人~
「もしもし、父さん?」
『もしもし、留架か? 今、平気か?』
チラッと境を見てから頷く。
「うん、大丈夫。 どうしたの?」
『あぁ、実はな………………したいんだが?』
父さんの言葉に、頬を赤らめる。
「うーん…先生に聞いてみ…」
『学校に許可はとってある。』
父さんは俺の言葉を遮ってそう言ってきた。
「わかった。 じゃあ、今から行く。 どこに行けばいい?」
『正門で待ってるよ。』
父さんの言葉に「OK。」と返答すると、携帯を切り、空の方を向く。
「空…父さんが結婚式の会場と日程決めたいって。」
「「結婚式!?」」
みんなが驚きに目を見張る中、空は少し笑った。
「もう決めるのか。 お義父さんは気が早いな。」
「そうだね///」
空は俺が放り出した松葉杖を拾うと、俺に渡してきた。
「先にお義父さんの所に行ってて。 俺はちょっと境達と話してから行くから。」
「え? うん…」
渋々、空の言葉に頷く。
「春架君、悪いんだけど、留架を送ってってくれない?」
「…ぇ?」
春架は困ったように小原さんを見る。
小原さんは黙って頷いた。
「…わかりました。 兄ちゃん…行こう?」
「…うん。」
春架の言葉に頷き、ゆっくりと部屋を出て正門に向かった。