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恋ばか

第17章 ~新しい恋人~

~亮SIDE~
春架と留架がゆっくりと部屋を出て行くと、空は今まで見たことがないような黒い笑みを浮かべた。

「クスクスクス…」

「…? 何、笑ってるんだ?」

急に笑い出した空に、境は冷たく質問する。
空は黒い笑みを浮かべたまま、境の質問に答えた。

「本当に、留架に何もしてないと思うのか?」

「「っ!?」」

先ほどとは全く違う空の態度に、何も言えず固まる。

「お前…やっぱり留架になにかしたのか…?」

「まあ、正確には俺じゃないけど。」

空はそう言って、白い粉が入った小さな袋を取り出した。

「これを使って、留架に一種の催眠術みたいなものをかけたんだよ。」

「お前…まさかそれっ!!」

境が驚きに目を見張る。
境は袋の中身がわかったようだ。

そんな境の反応を見て、空は怪しく笑うと口を開いた。

「そう…麻薬だよ。」

「「なっ!?」」

俺達の反応に空は楽しそうに笑った。

「お前っ…それ犯罪だぞ!?」

空は全く表情を変えずに境の言葉に余裕そうに答える。

「別にいいんだよ。 俺がやったわけじゃないし。」

平然とそう答える空を見て驚愕する。

これが、空の本性…

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