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恋ばか

第19章 ~愛しい人~

(あっ、やばい…)

小声で急いで用件を境に伝える。

「昼休みに、一緒にカズのところに行こう?」

「OK。」

境が頷くのと同時に、春架が俺に抱きついてきた。

「兄ちゃん!!」

「うわっ!!」

驚いて、思わず声を上げる。

「おはよー。」

「おはよー、春架。」

女子が黄色い歓声を上げる。
そんな声を聞いて、境はため息をついた。

「女子うるせえ…」

「ははは…まあ、しょうがないでしょ。」

境は少し不満そうな顔をするとそっぽを向いた。
春架は周りのことなどおかまいなしに、俺に頬ずりしてくる。

「兄ちゃ~ん…」

「なんだよ?」

軽く春架を振り返る。

「へへへ…大好き。」

「どうしたんだよ? 変な奴…」

そんな会話を聞いていた女子がまた黄色い歓声を上げる。

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