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恋ばか

第19章 ~愛しい人~

「あ…」

ゆっくりと目を開くと、目の前には真っ白な天井。

(ここ…どこ…?)

起き上がって辺りを見回し、ここが保健室であることを理解した。

(俺…気を失ったのか…?)

先ほどの事を思い出し、軽い頭痛がした。

(さっきの夢…妙に感覚が残ってる…)

まるで…本当にキスしていたような…

「…亮…」

亮に初めて会ってから付き合うまで、たったの2週間しかなかった。

亮の告白を承諾したのは、亮が教室に入ってきたあの瞬間から、きっと惹かれていたから…

「…っ…」

亮と初めてキスをした後、ここに連れ込まれて…
亮の家に行って境と仲直りして、執事として働くことになって…

今思い返せば、楽しい事ばかりだった。

「亮っ…亮…」

涙を流しながら、愛しい人の名前を何度も呟く。

「…好きだよっ…」

でも…お前はもう俺のじゃないから…
ごめん…好きでごめん…
泣いてごめん…困らせてごめん…でも…

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