恋ばか
第20章 ~決断~
「すみませんでした。 甘えて、泣いてしまって…」
「別に構わんよ。」
恥ずかしさから、顔が赤くなる。
「でも、お祖父様に聞いていただいたら、すっきりしました。」
「そうか。」
お祖父様は優しく微笑んで頷くと、口を開いた。
「実はな、本題はここからなんだ。」
「え?」
驚いてお祖父様を見る。
「小泉空との婚約を解消してやる。」
「……え!?」
お祖父様の言葉を理解できずに固まる。
「そんなことしたらお父様が…」
「その点は問題ない。」
お祖父様は得意気な顔をすると言葉を続けた。
「私は桜木財閥の会長だぞ?」
「…でも、空が…」
それでも頷かない俺を見て、お祖父様はため息をついた。
「あの若僧がお前を脅すために使っていたあの書類…あれは真っ赤な偽物だよ。」
「え…?」
偽物…?