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恋ばか

第22章 ~別れ~

「…………」

「どうしたの?」

顔を覗き込もうとすれば、急に腕を引かれ、背中を思い切り押された。

「うわっ!?」

「っ!!」

急に押され、俺は倒れ込むように亮の腕の中に飛び込んだ。

「春架!?」

亮の腕にすっぽり収まった後、春架を振り返る。

「俺にバレないと思ってたの?」

「なに言って…」

顔を上げた春架は…泣きながら笑っていた。

「亮さんのこと…思い出してるんでしょ?」

「なっ…」

言い返そうと口を開けば、春架は首を横に振った。

「俺のこと、一番に考えてくれてありがとう。 でも、もういいよ。 俺はもう、兄ちゃんが苦しむ姿は見たくない。」

「そんなの…」

罪滅ぼしだなんて思ってないけど…俺は、春架の大切な人を奪ったのに…

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