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恋ばか

第26章 番外編~Merry Christmas~

「…あっ!!」

その写真には見覚えがある。

「そんなの、いつまで持ってんだよ!?」

「えぇ~…だって、貴重な一枚だし。」

境はそう言って、俺の前でひらひらと写真をちらつかせた。

「好きな子に振られて大泣きしてる留架。」

「…っ…そ、そんなの、小さい頃の話だろ!!///」

そう言い返せば、境は「ふ~ん。」と言って、写真をゆっくり眺めた。

「じゃあ、亮に見せてもいいよね? だって、小さい頃の話なんだし。」

「……………」

こいつ…最悪だ…

「…………った…」

「ん?」

「…わかった…」

なんか、悔しいけど…

「やればいいんだろ、やれば。」

「留架ならそう言ってくれると思ってた。」

渋々境の言うことに頷くと、境は満足そうににっこりと笑った。

「やったら、その写真返せよ。」

「いいよ。」

境は大切そうに写真を財布にしまうと、ため息をついた。

「…どうしたんだよ?」

「ん? いや…」

問いかければ、素っ気ない返事が返ってきた。

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