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恋ばか

第26章 番外編~Merry Christmas~

~留架SIDE~
さかのぼること30分…

部屋を連れ出された俺は、ある一室へと入った。

「はい、これ着て。」

「はぁ!?」

そう言って、境から渡されたのは、真っ黒な猫の着ぐるみだった。

「なんでだよ!?」

「面白いから。」

境は俺の言葉に即答し、もう一つ手渡してきた。

「最後にこれつけてね。」

「……………」

唖然として、境が渡してきた物を見つめる。

「ほら、早く着替えろって。」

「なに…これ?」

手際よく着替える境にそう尋ねる。

「リボン。」

「…………」

いやいや、鈴付いてますけど…

「はぁ~…」

どこまでやる気なんだか…

「ん。 できた。」

そう言った境の方に目をやる。

「どう?」

境はトラ柄の猫の着ぐるみを着ていた。

「…似合ってる。」

素晴らしいとしか言いようがないくらい似合っていた。

「お前も早く着ろよ。」

「はいはい。」

急かされ、渋々着替え始める。

「おお~、似合ってんじゃん。」

「嬉しくねぇよ。」

鏡を見てため息をつく。

「やっぱり、留架には黒だな。」

認めたくないが、似合っている気がする。

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