
恋ばか
第26章 番外編~Merry Christmas~
でも、三神が着ぐるみを選んだのは境が頼んだからで…
「俺はっ…」
境が三神に頼んだのは、俺が境にああ言ったからで…
「…っ…」
結局は、俺じゃないか…
「…最低っ…」
「留架様…」
また泣き出した俺に、三神は申し訳なさそうに声をかけてきた。
「申し訳ございません。」
「ぅ…っ…」
三神はこんなに優しいのに…
「ち、がう…」
俺、なにやってんだろ。
「なっ…んで…」
「留架様?」
自分がいやになってきた。
「お前は、優しいよ…」
「…?」
三神は優しい。
「はぁ…俺、最低…」
「…」
膝に顔を埋める。
「ごめんな…当たったりして…」
「留架様…」
謝れば、三神は優しく頭を撫でてくれた。
「私も、少しやり過ぎました。」
顔を上げると、三神は優しく微笑んでいた。
「せめて、耳と尻尾だけにすればよかったですね。」
「あんまり変わってねぇよ。」
三神の言葉に笑って返すと、三神は嬉しそうに微笑んだ。
「やっと笑いましたね。」
「…そうかもね。」
冷静になると、喉が渇いているのに気がついた。
「これ、もらうね。」
「あ、留架様、それはっ!!」
「ん!?」
コップに入っていた物を飲み込んだ瞬間、俺は意識を手放した。
