
恋ばか
第29章 ~好きになっちゃいけない人~
「あぁ、木原留季(きはら るき)。 別名『男殺しの小悪魔』とか、『目だけで男を落とす天才』って呼ばれてるよ。」
「男殺し…」
「目だけで…」
思い出した。
以前、兄ちゃんが空さんと付き合ってた時に聞いた名前だ。
『木原っていう奴が、空にやたらと絡んでくるんだよ。 しかも、色目使ってくるし。』
みたいなことを言ってた気がする。
「あれが木原先輩…」
「そう。 顔はいいんだけどな…」
確かに、『男殺しの小悪魔』と呼ばれているだけあって、すごくきれいな顔立ちをしている。
「性格最悪なんだよ。」
「ぇ、嘘…」
ここから見ていると、空さんと楽しそうに話しているし、明るそう…というか、優しそうなのに…?
「本当だよ。」
境兄ちゃんはそう言うと、「ふぅ…」とため息をついた。
「木原は見た目は明るくて優しそうな奴だけど、本性は全然違うんだ。
気になった奴ができると、どんな手を使ってもそいつを振り向かせる。
一番酷かったのは、気になった奴の周りから友達はもちろん、先生まで順番に消していったことだな。」
そんな…あんなに可愛い顔をして?
「そうなると、そいつは木原と一緒にいるしかない。
でも木原は、しばらくするとそいつに飽きて、簡単に捨てるんだ。
それで、次のターゲットを決める。」
そんな酷いことを本当にしてるの…?
「それで…その捨てられた人はどうなるの?」
「………」
俺の質問に、境兄ちゃんは呆れたように答えた。
「木原の追っかけになる。」
「「は!?」」
予想外の答えに、思わず声を上げてしまった。
「忘れられなくなるんだ。 一人になった時に与えられた、木原の優しさが。」
「………」
最後まで聞いた時、真っ先に頭に浮かんだのは空さんだった。
「男殺し…」
「目だけで…」
思い出した。
以前、兄ちゃんが空さんと付き合ってた時に聞いた名前だ。
『木原っていう奴が、空にやたらと絡んでくるんだよ。 しかも、色目使ってくるし。』
みたいなことを言ってた気がする。
「あれが木原先輩…」
「そう。 顔はいいんだけどな…」
確かに、『男殺しの小悪魔』と呼ばれているだけあって、すごくきれいな顔立ちをしている。
「性格最悪なんだよ。」
「ぇ、嘘…」
ここから見ていると、空さんと楽しそうに話しているし、明るそう…というか、優しそうなのに…?
「本当だよ。」
境兄ちゃんはそう言うと、「ふぅ…」とため息をついた。
「木原は見た目は明るくて優しそうな奴だけど、本性は全然違うんだ。
気になった奴ができると、どんな手を使ってもそいつを振り向かせる。
一番酷かったのは、気になった奴の周りから友達はもちろん、先生まで順番に消していったことだな。」
そんな…あんなに可愛い顔をして?
「そうなると、そいつは木原と一緒にいるしかない。
でも木原は、しばらくするとそいつに飽きて、簡単に捨てるんだ。
それで、次のターゲットを決める。」
そんな酷いことを本当にしてるの…?
「それで…その捨てられた人はどうなるの?」
「………」
俺の質問に、境兄ちゃんは呆れたように答えた。
「木原の追っかけになる。」
「「は!?」」
予想外の答えに、思わず声を上げてしまった。
「忘れられなくなるんだ。 一人になった時に与えられた、木原の優しさが。」
「………」
最後まで聞いた時、真っ先に頭に浮かんだのは空さんだった。
