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恋ばか

第29章 ~好きになっちゃいけない人~

「身体だけなら、それだけにしておけ。」

「………」

求めてるつもりはない。

「…大丈夫。 心配しないで。」

「余計なお世話かもしれないけど…」

今度は一臣さんが口を開いた。

「そろそろ関係を切ったらどう?」

「ぇ……」

その言葉に、境兄ちゃんも頷いた。

「もう一年も経つんだし、亮のことも忘れたでしょ?」

……そうかもしれない。

「いつまでも空に縛られてないで、新しい恋を探したほうがいいんじゃない?」

新しい恋…か…

「空も新しい恋を探してるんじゃないかな?」

ちらっと二人を見る。

空さんは楽しそうに笑っていた。

「……そう…ですね。」

素直に頷いた。

だって、空さんの笑顔は嘘偽りないものだったから。

「まぁ、ゆっくりでいいから新しい恋探してみな。」

「ぅん…」

境兄ちゃんは俺の頭を軽く撫でると、帰って行った。

「春架、俺らも帰ろうか?」

「あ、うん。」

一瞬空さんを見てから、ユイの後を追って本屋から出た。

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「どうする? お茶でもしていくか?」

「そうだね。」

ユイの言葉に頷き、適当な喫茶店に入った。

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