
恋ばか
第29章 ~好きになっちゃいけない人~
「はぁ…」
自分の気持ちに気づいてから二週間。
「………」
あれから一回も空さんに会っていない。
…というか声も聴いてないし、顔すら見ていない。
「ま~たため息なんかついて。」
「ユイ…」
隣を見れば、ユイは呆れた顔でこちらを見ていた。
「なんかあった?」
「……別に…」
そう答えれば、ユイはまじめな顔になった。
「嘘だね。 この間俺と別れた後、なんかあっただろ。」
正直、話すべきか迷った。
でも…
「…………」
ユイは大事な幼馴染だから。
大切な親友だから、話したくなった。
「……見つけたんだ。」
「見つけた?」
黙って頷く。
「新しい恋…ってやつ。」
「もう?」
ユイは驚いて少し声を上げた。
「もう…っていうか…」
「………?」
ユイを直視しながら言えず、目を伏せる。
「たぶん、結構前からしてた…っていうか…」
「はい?」
相当驚いたようで、ユイは聞き返してきた。
「…全然自覚なかったんだけど…好きになってたみたい…」
「………」
ユイは最初黙っていたが、しばらくすると口を開いた。
