
恋ばか
第29章 ~好きになっちゃいけない人~
「空さん!?」
「なんでそんなに驚くんだよ?」
俺の反応を見て、空さんは面白そうに笑った。
「いやだって…久しぶりじゃないですか…」
「まあな。」
二週間会ってないだけなのに、すごい、緊張する。
「…ど、どうしたんですか?」
ラブホに入って行くのを見た後で、どんな顔をすればいいんだろう…
「今夜空いてるか?」
「…え?」
突然の誘いに驚き、思わず聞き返してしまった。
「だめか?」
「ぁ…だ、大丈夫です。」
慌てて頷けば、空さんは優しく微笑んだ。
「じゃあ、家で待ってる。」
「はい…」
「空く~ん!!」
その声に振り返れば、木原先輩がこちらに向かて手を振っていた。
「もう行かないと。 じゃ。」
「はい。」
空さんが隣まで来ると、木原先輩は嬉しそうに腕に抱きついた。
「…っ…」
そんな光景を見て、チクリと胸が痛む。
「終わらせなきゃ…」
そう呟いて、教室に入った。
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「やっと終わった~…」
「帰るか?」
SHRも終わり、教科書をしまいにロッカーに向かう。
「ん…?」
ロッカーを開けると、白い封筒が落ちてきた。
