テキストサイズ

恋ばか

第4章 ~好きな人~

(俺…あんな事したのに…亮っ…)

俺はたまらず亮に抱きついた。
起き上がる際に下半身に激痛が走ったが、そんな事はどうでもよかった。

今はただ…亮の熱を感じたかった。

「どうしたんだよ、留架?」

「……」

「…? 留架?」

「…好きだ。」

「えっ?」

好きだ…

言葉では表せないくらい、亮が好きだ…

亮は驚いて、目を丸くした。
俺が顔を上げると、驚きを隠せない亮と目が合った。

「留架…本当に?」

俺は黙って頷いた。

「本当に俺の事好きになってくれた?」

「うん…好きだよ…」

俺がもう一度告(い)うと、亮は顔を伏せてしまった。

「亮…?」

「……い」

「え?」

「ヤバい…超嬉しい…」

亮は耳まで真っ赤だ。

「亮…真っ赤…」

「なっ!! 留架だって!!」

「うっ、嘘だ!!」

「嘘じゃない!!」

「ちがう!!」

「ちがわない!!」

「……」

「……」

「「ぷっ…」」

俺達は一緒に吹き出した。

楽しくて、嬉しくて、幸せで…

この時間がいつまでも続けばいいと願った。


しかし、そんな時間はいつまでも続かなかった。

亮が急に笑うのを止めた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ