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恋ばか

第4章 ~好きな人~

「…亮?」

亮は驚いたような、怒ったような表情でこちらを見ている。

「……!!」

俺は亮の視線の先が首筋に向いているのに気づくと同時に、境に付けられたキスマークの事を思い出した。

あわてて手で隠す。

「それ、誰が付けたの?」

「そ、それは…その…」

亮はかなり怒っているようだ。

(なんて答えればいいんだよ…)

「答えろよ、留架。 それ、付けたの誰だよ?」

(嘘はつきたくない…でも、嫌われるのはイヤだよ…)

「っ…どうして答えてくれないんだよ…」

「……」

「さっき告ってくれた事は嘘だったのかよ…」

「っ!! ちがうっ!!」

俺は亮の腕を掴んで必死に訴える。

「さっき告った事は全部俺の本心だよ!!
両思いになれてすごく嬉しかった…これからもずっと一緒にいたいって思ったよ!!
でも…」

「でも…?」

俺は耐えきれずに、また泣き出してしまった。

「怖いんだっ…亮がいない間に何があったのか…どうして、首にこんなのが付いてるのか…
本当の事話したら、亮はきっと、俺の事嫌いになる…
それが怖いんだ…どうしようもなく…情けないくらい怖いんだ…っ」

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