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恋ばか

第4章 ~好きな人~

「もちろん。」

…嬉しくて、嬉しくて、亮を抱きしめ返す。

「俺も留架だけが好きだよ…だから、もう謝らなくていいよ。」

「亮…」

俺は先ほどまでのことを、亮にすべて話した。

境とキスしたことや、最後までしてしまったことまで、全部…

「そっか…」

「うん…ごめん、亮…」

俺が謝ると、亮が強く抱きしめてくれた。

「さっきも言ったでしょ? 謝らなくていいよ。」

「許してくれる…の…?」

「もちろん。 それに…」

(それに?)

亮の笑顔が曇る。

「謝らないといけないのは、俺の方だから…」

「なんで? 悪いのは俺なのに…」

亮の手が俺の頬に触れる。

「…留架をそんな目に合わせたのは俺のせいだから…守ってやれなくて…怖い想いさせてごめん…本当なら、ずっとそばにいなきゃいけなかったのに…」

俺を抱きしめる力が強くなる。

「亮のせいなんかじゃないよ…逆に授業サボって俺のそばにいた方が俺、怒ってたし…それに…」

「…?」

俺は満面の笑みで問い掛けた。

「これからは、亮が守ってくれるでしょ?」

俺の質問に、亮は安心したような、優しいいつもの笑顔で答えてくれた。

「当然。 これからはなにがあっても…留架を守るよ。」

やっぱり、亮は俺の事よくわかってくれてる。
今、俺が一番欲しかった言葉をちゃんとくれた。

「これから」って事は、ずっと一緒に居てくれるんだろう?

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