
恋ばか
第29章 ~好きになっちゃいけない人~
「……?」
が、いつまで経ってもなにも起こらない。
「え?」
不思議に思って目を開けると、男たちは俺の目の前で止まっていた。
「なにやってんだよ。 早くしろ。」
「……お前の言うことは聞かない。」
男たちは、木原先輩を振り返った。
「なっ…」
「お前は、俺たちの仲間を裏切った。」
じりじりと、男たちは木原先輩の方へ寄って行く。
「お前は金にものを言わせて、警察に仲間を売った。」
「警察に多額の金を渡して、全部仲間のせいにして、自分は罪を逃れた。」
「俺らの仲間は、今も牢屋で苦しんでるのに…」
「お前は今ものうのうと暮らしてる。」
木原先輩は、壁に追い込まれた。
「だから俺たちは…」
「お前に復讐する。」
「っ!!」
その瞬間、木原先輩はなんとも言い難い、恐怖の表情を浮かべた。
「ねぇ、お兄さんたち。」
「「あ?」」
空さんの大切な人を傷つけたくない。
「そんな人なんかより、俺の相手してよ。」
「は?」
そう思ったら、口が動いていた。
「俺と遊んだ方が、絶対に楽しいと思うよ?」
正直、うまくいくかわからなかった。
「こいつのこと助けたいのか?」
「まさか。」
それでもなんとかしようと、精一杯嘘をつく。
「なんでそんな人を助けないといけないのさ。」
バレないように、必死に…
「散々ひどい目に遭わされたのに。」
「確かに…」
一か八か…賭けに出るしかない。
「そんなことよりさ、早く遊ぼうよ。」
一番近くにいた男の股間を撫でる。
「早くこれ…俺の中に入れて?」
「「…ッ…」」
そう誘えば、男に押し倒された。
