恋ばか
第31章 ~おまけ~
「あの二人、大丈夫ですかね?」
「さぁな。」
空さんの背中を追いかけながら、そう尋ねる。
「境達なら平気でしょ。 俺と留架くらい仲いいから。」
亮さんはにっこり笑って、頷いた。
「春架、お前この後どうする?」
「ん?」
ユイに声をかけられ、後ろを振り返る。
「ん~…家に帰…」
「うちに寄って行くって。」
ユイの質問に答えようとすると、空さんに口を挟まれた。
「え!?」
「そうですか。」
いつからそんな話に!!?
「じゃ、また明日な。」
「ちょ、ユイ…」
「じゃあね、春架君。」
真依ちゃんまで…
「じゃあ、俺も帰るよ。 邪魔したら悪いし。」
「なに言ってるんですか…」
亮さんは悪戯っぽく笑うと、迎えの車で帰って行った。
「「…………」」
残された俺を空さんの間に、しばらく会話はなかった。
「…うち、来るか?」
沈黙を破ったのは、空さんだった。
「いいんですか?」
「あぁ。」
空さんは俺の腕を引き、車に乗り込んだ。
「ぁ…」
空さんの家に向かう途中、以前空さんが入って行ったラブホが目に入った。
「………」
「春架?」
俺の声が聞こえたのか、空さんが声をかけてきた。
「どうした?」
「………いえ…」
嫌なことを思い出したな。
俺は、心の中でそう呟いた。
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「はぁ…」
静かな風呂場に、俺のため息が響く。