恋ばか
第31章 ~おまけ~
「木原に妬いてるのか?」
「ぇ?」
空さんは俺の体を起こし、抱きしめてきた。
「悪い。 すげー嬉しい。」
訳が分からない。
「っていうか、なんで俺が木原にそんなこと言ったと思ったんだ?」
「だって…」
空さんから体を離し、視線を落とす。
「さっき…空さんと木原先輩が入って行ったラブホを見たら…」
あぁ、もう…また泣きそう。
「木原先輩と寝たなら、同じこと言ったのかなって…」
我慢できず、また泣き出した俺を見て、空さんはため息をついた。
「春架…お前、勘違いしてるぞ。」
「…ぇ?」
勘違い?
「確かに俺は木原とホテルに行ったけどな…」
「っ…」
否定はされなかった。
「あいつとは寝てねぇよ。」
「………え?」
じゃあ、何のためにホテルに…
「あいつが具合悪いって言うから、横になる場所探して、仕方なく…」
本当に?
「俺は好きな奴以外抱かねぇよ。」
空さんは再び俺を抱きしめてきた。
「信じてくれるか?」
「……っはい…」
泣きじゃくりながら、空さんに抱きつく。
「空さ…」
「……春架?」
安心したら、眠くなってきた。
「…寝てるし…」
これが夢じゃなかったらいいのに。
「まぁ、いいや。 起きたら襲うからな。 覚悟しとけよ?」
「ん~…」
おでこに短いキスをされた。
「おやすみ、春架。」
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「ん…」
「起きたか?」
空さんの声が聞こえ、慌てて起き上る。