恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
「……?」
しかし、いつまで経ってもなにも起きない。
「え?」
男たちは、春架の目の前で止まっていた。
どういうことだ?
「なにやってんだよ。 早くしろ。」
「……お前の言うことは聞かない。」
男たちはそう言って、木原を振り返った。
「なっ…」
「お前は、俺たちの仲間を裏切った。」
よくわからないが、男たちは木原の方に迫って行く。
「お前は、金に…」
ヤバい…意識が朦朧としてきた。
男たちが木原を壁に追い込んでいるが、話がなにも聞こえない。
「っ…くそ…」
「ねぇ、お兄さんたち。」
春架の声が聞こえ、驚いて顔を上げる。
「そんな人なんかより、俺の相手してよ。」
「は?」
「っ!?」
春架…お前、木原を助ける気か?
「俺と遊んだ方が、絶対に楽しいと思うよ?」
あんなに苦しめられたのに…
「そんなことよりさ、早く遊ぼうよ。」
馬鹿野郎…お前、体震えてるぞ。
「早くこれ…俺の中に入れて?」
春架に誘われた男は、春架のことを押し倒した。
「その気になった?」
「あぁ。 こっちの方が楽しそうだ。」
くそ…肝心な時に体が動かない。
必死に体を動かしてみるが、全然縄は解けそうにない。
「大丈夫か? 震えてるぞ。」
「ん。 緊張してきた。」
どうすれば、春架を助けられる?
「…っ…」
一番大切な親友から、大事な弟を任せられたのに…
「結構いい身体してんじゃん。」
男の手が、春架の下半身へと伸びた。
「やめろっ!!!」
その時だった。
「誰だっ!?」
倉庫の扉がものすごい勢いで開いた。