恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
「空さん!!?」
「小泉先輩!!」
入ってきたのは、空だった。
「お…せぇっ…よ…ッ…」
でも、安心した。
これで春架は安全だ。
「…ッ…」
「五十嵐先輩!?」
そう思ったら、一気に力が抜けて、意識を手放しそうになった。
「ぐっ…」
「失せろ。」
空の言葉に、男たちは一目散に逃げ出した。
「境!!」
「真依!!」
それと同時に、臣と結崎が倉庫に入ってきた。
「おっ…み…?」
「コウっ!?」
なんでお前がここに…
混乱している間に、臣に拘束されていた縄を解かれた。
「…臣っ…な…で…ッ…?」
「境が心配だったからに決まってるだろ!!!」
心配? だってお前は…
「でも…お、前っ…」
「その話は後で。 早く、病院に行こう。」
後で? お前にとってはどうでもいいってか?
「ゃ…だっ…」
「境?」
俺は出せる限りの力で、臣の体を突き飛ばした。
「境兄ちゃん!!?」
「俺に触んなッ!!」
ふざけるなよ。 俺を何だと思ってんだ。
「境、動いたら…」
「うるさい!!」
ゆっくりと、臣から後ずさって行く。
「俺に…さわ…なっ…他の奴を…ッ…」
「境兄ちゃん!!」
他の奴を触った手で…俺のことを…
そこで、俺の意識は途絶えた。