恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
「………?」
「気が付いた?」
その声に首を傾けると、亮の姿が。
「い゛ッ…」
「動かない方がいいよ。 肋骨を二本折ってるらしいから。」
うわ…マジか…
「ここは?」
「病院。 お前が木原につかまってから、三日経ってるよ。」
三日間も俺は寝てたのか。
「随分とボコボコに殴られたみたいだね。」
「うるせぇよ。」
手足を拘束されてたし、春架のことで脅されてたから抵抗できなかったんだよ。
「全治三か月だって。」
「嘘だろ…」
そんなに重症だったのか…
「なあ、境。」
「なんだよ?」
急に、亮の声が真剣になった。
「どうしてカズと喧嘩したんだ?」
「………」
その質問に、すぐには答えられなかった。
「一週間前…なにがあった? お前がカズと喧嘩するなんて、相当のことがあったって事だろ?」
「…………」
なにも言わずにいると、亮は小さくため息をついた。
「一人でため込んむのはあんまりよくないと思うけど。」
「………木原のことを調べてもらってたんだ。」
本当はあの日のことを口にするのはつらいはずなのに、気が付いたら口が動いていた。
「春架は空と関係を切ってるのに、どうして必要以上に春架を追い詰めるのか…それを、臣に調べてもらってた。」
もしかしたら俺は、誰かに聞いてほしかったのかもしれない。
「あの日、保健室で臣と待ち合わせしてた俺は、放課後保健室に向かったんだ。」
扉を開くと、そこには…
「保健室には、誰もいなかった。 仕事でも残ってるのかと思って、俺は臣を待つことにした。」
誰もいないはずなのに、ベッドの方から物音が聞こえて…
「ベッドから物音が聞こえたから、臣が昼寝でもしてるのかと思ってカーテンを開いたんだ。 そしたら…」
臣が、知らない男子生徒を…