テキストサイズ

恋ばか

第4章 ~好きな人~

俺の問いに、亮は怪しげな笑みを浮かべて答えた。

「いいこと。」

「は? なに言っ…んっ!?」

亮は質問に答えながら、俺を押し倒し、キスしてきた。

「んんッ…ちょっ…亮…」

「留架…俺に合わせて…」

そう言って、もう一度キスしてくる。

「あっ…ん…亮…」

しかも、なんとも言えないこの最悪なタイミングで、境がカーテンを開けてきた。

「小原っ!? なんで留架と…」

境は驚きに目を丸くした。

そりゃそうだ。
自分とあんな事したヤツが、目の前で恋人といちゃついてるんだから。

抱きしめながらキスしてる亮。
首に腕を回してる俺。

誰がどう見ても、合意の上での行為にしか見えないだろう。

「恋人にキスしてるのが、そんなにビックリすることか?」

「それは…っ…でも…なんで?」

「…なにが?」

「お前…留架の首のあと見てないのか?」

「見たよ。 話も全部聞いた。」

「それなのに…なんで…」

境はあまりの驚きに動揺しているのを隠せずにいる。

「なんで、キスしてるのか?って?」

境は何も言わない。

「確かに、本当の事聞いた時はショックだったけど、そんな事で、俺は留架の事嫌いにならない。」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ