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恋ばか

第4章 ~好きな人~

「っ!!」

「…お前の思い通りにはならなかったみたいだな?」

亮は勝ち誇ったような顔をして、境を見ている。
しかし、境は諦めがつかないようで、さらに質問をあびせてくる。

「首のそれはどうするんだよ? 俺がつけた事には変わりないぞ?」

と、俺の首筋を指差してきた。

(さすがの亮でも、この質問には…)

チラッと亮を見ると、亮は余裕そうな表情だった。

「だったら、こうするだけだよ。」

亮は寝転んだままの俺の上に覆い被さり、首に吸い付いてきた。

「ちょっ!! 亮!?」

(そこには…)

亮は俺から離れると、境に言い返した。

「これで、俺がつけた事になっただろ?」

「なっ!?」

(確かに…亮は境がつけたキスマークの上にキスマークをつけたから…亮がつけた事になる…のか?)

俺が一人で真剣に考えていると、また二人の言い争いが始まった。

「いい加減、諦めたらどうだ?」

「なにをだよ?」

境は冷静を装っているが、かなり動揺しているようだ。

「俺は何があっても、留架を嫌いにならないし、離すつもりもない。」

そう俺を抱き起こして言った。

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