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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「じゃ、俺は帰るよ。」

「あぁ。 付き添ってくれてありがとうな。」

お礼を言うと、亮はにっこり笑った。

「いいよ。 また明日な。」

「おう。」

亮も部屋を出て行ったし、留架に電話するためにパソコンを用意しよう。

「おい、臣…」

名前を呼んで、臣がいないことに気が付く。

「………」

無意識に名前を呼んでしまうくらい、臣は俺の傍に居たってことか。

「はぁ…」

ヤバイな…

「想像以上につらい…」

臣━…

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数日後…亮たちがお見舞いに来てくれた。

春架と空はもちろん、結崎やその彼女もいる。

「そういえば、『最初から。』って亮さん言ってましたよね?」

「あぁ…そんなことも言ったね。」

ん? 留架と電話したかって?

もちろんしたよ。

『どうしたんだよ、テレビ電話なんて。』

『ボコボコに殴られたから、大丈夫かなって心配してたんだけど、全然大丈夫そうだね。』

なるほど。 自分の目で確かめたかったわけか。

『あのくらいで簡単にくたばるわけないだろ。』

『だよね。 境だもん。』

どういう意味だ、それ。

『それを言うためだけに電話させたのかよ?』

『違うって。 春架と空のこと聞こうと思って。 それに…』

言葉を続けようとした留架の表情が曇った。

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