恋ばか
第4章 ~好きな人~
(亮…)
…すごく、嬉しかった。
今まで、こんなに自分を欲してくれる人はいなかったから…
これで諦めるだろうと思って境を見ると、境は笑っていた。
「!?」
これには、亮も驚いているようだ。
境は不適な笑みを浮かべながら、驚くべき事を言った。
「お前…留架が自分の母親を殺した。って知っても、好きでいられるか?」
「っ!!」
「なっ!?」
亮は驚いて俺の方を見る。
「だよな? 留架…?」
亮は俺を真っ直ぐ見ながら、聞いてきた。
「本当…なの……?」
「……っ」
俺は言葉を失ってしまった。
無意識の内に、体が震えだす。
「お前が話さないなら、俺が話そうか?」
「っ!! やめ…ろ…」
俺の言葉を無視して、境はゆっくりと話し始めた。
「お前が小5の時…」
「や…めろ…」
(…聞きたくない…)
「自分の母親を…」
「っ…やめ…」
(言うな…思い出さないでくれっ…)
「殺した。」
「っ!!」