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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「臣は俺が小さい頃から、俺の身の回りの世話をしてくれてました。 学校で友達のいなかった俺にとって、臣はなんでも話せる数少ない人間の一人だったんです。」

もちろん、その中に留架も入ってるけど。

「あいつが一番大切にしていた妹が病気で亡くなって、俺はあいつにできる限りのことをしてやりました。

早く、元気になってほしいと思って。」

他人になんの関心も持たなかった俺が、あんなに必死になって人を元気づけようとしたのは、留架以外初めてだったな。

「たぶんあの時から、俺は臣のことが好きだったんだと思います。」

それにしても、こんなに素直に臣とのことを話せるなんて…

「そんなことがあったんですね。」

この人、一体…

「では、今までずっと一緒に?」

何者なんだろう?

「いえ…臣は一度、俺の前から姿を消しました。」

「そうでしたか…」

なんか俺…

「なんか俺…先生と、もっと仲良くなりたいかも。」

「それは光栄ですね。」

この日を境に、俺は先生と話すことが多くなった。

「五十嵐様の幼少期は他の方とは全然違うので、聞いていてとても面白いです。」

「本当ですか? 俺って、そんなに変かなぁ…?」

亮や春架が来れない時は、先生と雑談を楽しむ。

「特殊なだけですよ。」

「そうですか?」

これが、俺の日課になっていった。

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