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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「こっちに来たの初めてだ。」

「そうでしたね。 今まではほとんど病室から出ませんでしたから。」

緑がいっぱいで、なんだか落ち着く。

「…留架…」

「会いたいですか?」

目を閉じると、留架の笑顔が浮かんだ。

「そうですね。 いくら電話してるからって、直接会ってるわけじゃないんで。」

「私もお会いしたいですね。」

真中のことを話したら、あいつ大笑いしそうだな。

「真中のことを話したら、あいつなんて言うかな?」

「さぁ…でも、桜木様なら既に知っている気がします。」

確かに。

留架なら、もう知っているかもしれない。

「そうですね。」

ぽかぽかしてて、眠くなってきた。

「お部屋に戻りますか?」

「そうですね。 さすがに、これ以上臣達をほっとくのは危ないし。」

退院したあとが、本当に怖い。

「では、行きましょうか。」

先生は再び車椅子を押して、部屋に戻ってくれた。

「ただい…」

「「遅い!!」」

部屋野扉を開けた瞬間、すごい勢いで怒鳴られた。

「どこに行ってたんですか!!?」

「二人でなにしてたのかな?」

あぁ…めんどくさい。

そして臣が怖い。

「なんでもいいだろ。 お前らには関係ない。」

「未来の恋人に向かって、冷たくないですか!!?」

「そんなこと言って…本当にいいの?」

おい…俺を勝手に未来の恋人にすんな。

臣…その顔やめろ。 怖いから。 本当に。

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